3月11日の「なまり」
訛、と書くと難しそう。だから、なまり。
「家路」という映画を観る。主演の松山ケンイチは青森県むつ市の出身だから、この映画の福島、とりわけ原発と隣り合った故郷に帰ってくるという設定で、じんわり、と彼本来の「なまり」が生かされているのか、ゆっくりと悲しく進んでいく映画だった、、。
少ない台詞も、、景色に程よいし。
青森六ヶ所村の核再処理場は、私の故郷から近い。
松山ケンイチの故郷、むつ市というのはその先の、恐山に向う途中に位置して、恐山は、、霊を鎮め、祈りの山。
そんな本州の果てに、核のゴミが積まれていく。どれもこれも深刻すぎているのに、あちらに帰ったときは、この場所の周りはどんよりと、静かだ。普通にしている。モノいうなかれ、、なにかに遮られているかのようだ。
なまり、で言えば
あずましぐね、、どったんだが、、おそろしね、、、だ。
この映画ですらなまりはオトナシく扱われているように感じる。もっと100%以上のなまりで、腹の底を吐き出してくれないと、、映画なんだから、と勝手に欲張って観ている自分。
映画のあとに観た7時のニュース、
安倍総理がいう「これからも寄り添って、、、」
手に持った文書を縦に読む目の動きがせわしない。
なんだか「標準語」の脆弱さだけが残った日だ。
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