エフリコギ男衆
本棚の奥からまた探し出した1冊です。
父が参加していた俳句の会、連歌の技法に驚く。メンバーは町のエフリコギ旦那衆。モダンボーイたちだ。
エフリコギとは私の故郷の方言でいい格好したがる、カッコつける見栄っぱり、直球ではそういう意味だが、私が理解するエフリコギには、もう一癖ある。カッコつけて、カッコよく見える、実際にそれが様になる人、、と言っては父を褒め過ぎになるが、ここに並ぶ男性たちは本当にそういう言葉が似合う人たちだ。
父の連歌を読むが、謎めいている。行ったこともない遠い異国の地名なども登場する。飲んだこと、食べたこと、やったことのないものでもトリップした語句を遊んでいる。早くに亡くなった父だが、心はのびやかに旅をしていたのだと思いたい。定年したら行きたい場所はさぞ多かったことだろうし、、晩年は好きなことをして暮らす夢もあっただろう、、でも、在職中も父はずっと家で寛ぐタイプの人間ではなかった。本当に好きなことをしていたようにも見える。
この1冊は父が亡くなってから出版されたようで、早くに亡くなった父の俳句の掲載は少ない。それでも、ここに父の冒険が読み取れて、この2週間ほど家にいながら私は、知らなかった父のちょっとやんちゃ気分の想い、その言葉に出くわしたことを少し幸福に感じて過ごしている。
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