マロンマロン
静かな森にて、音を奏でる
初めて会う人とも奏でる
散歩の夫婦さんが、足を止めてそのまま、最後まで聴いてくれた
2回とも聴いてくれた方が、帰りにはアルバムを1枚大事に手にとって、買ってくださった
どこかの部屋で聴いてくれているだろうか
土にまみれて、虫たちもコロコロ動き出して、自分はもう、その草むらにて音という存在のしもべのようになる
木はじんわりと、忍耐強く、「打ちなさい」と語っているようで
小さなマリンバは、マロン、マロンという感じの響きで外気に触れた喜びか、、
あの主張されるキンキンした強がりの室内で聴く音ではない
部屋に戻った楽器たちを、いつになく磨いてみた
木の実の一つ一つを鳴らしながら、、
土の上にいた楽器たちが、誇らしげな表情を見せている
何かを待っていたのかもしれない
私もその何かを
待っていたのか