カテゴリー「髙田雨草 水墨画家」の29件の投稿

2022年8月17日 (水)

Forever Green

気配として、私は生い茂る緑は好きなシーンです。草刈りが追いつかないということもありますが、伯母たちが愛でた緑の強さ、生命力のようなものに時に、突き動かされることもあるから。悪さはしない緑。虫は多くやってくるけど。雨続きの夏、水を含んだ草たちが土へ還す栄養、根っこを強くして葉がしなだれずに元気よく伸びている姿。

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長くこの画廊を開けていないのですが、窓を開けて篭った空気を外気に逃し、新しい風を取り込みます。

作品をゆっくり眺める時間、こんな時間を以前はあまり有していなかった自分に気づきます。現在は閉館中でも、やることは山のようにあります。でも、それももうあまり自分へ負担をかけていくことはしません。ゆっくりと掃除をし、作品の声を聞くように、見れていなかった細部を眺めます。優しいアドバイスをくださる方がこの世を去って、今は少し凹んでもいますが、伯母の精神としての水墨画は、きっとまた公開される時期を導き出してくれそうです。

コロナ禍は多くの交流時間を途切れさせたけど、画廊を見つめる、考える、という意味で、今はとても有意義な時だと気づきます。共同で伯母の絵を見守ってくれる美雨さんからも連絡があり、伯母の好きだったお弟子さんはお母様を亡くしたばかりなのに愛深く、感謝ばかり。

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掃除の合間のワンショットです。モノトーンに置き換えたら、ちょっとムードある写真になりました。って自分で言ってる。笑

看板に覆いかぶさっていた芒を切って、看板がクリアに見えるように。そんな仕事やら出入りをしているとオヤツの差し入れをくださる方。

暑い日もあれば、涼しくて長袖の日も。快晴が急に真っ黒な雲に変化する瞬間も。これが小さい頃から経験してきた故郷の夏の空模様。

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この町にもコロナ感染者が多くなり、臨時の数時間の開館も考えていたけど断念。

草の生い茂る庭、画廊と自分のアトリエ両方でのお盆、迎え火、送り火。

ここに息づくアート、Forever Greenの精神で。

そして、温存している企画案をより深めて、そういう時期が来たらしっかりオープンさせます。

私の本業である演奏の仕事を優先する今は、画廊管理は難しいこともあります。でもまあ、ちょっと先かもしれませんが、ググッといい感じの展示計画ありますからね、、ぜひお楽しみに。

 

2022年8月12日 (金)

勝手にコラボレーション

髙田雨草水墨画館に関するブログです。

伯母のアトリエに並んでいるファッション誌の代表はケンゾーとイッセイミヤケ。水墨画館にそれはしっくりと馴染み、服飾専門だった高田の足跡、そして水墨画を探求していく上で、関わった服飾という文化はある意味布石でもあったように感じます。

音楽家を志す私に、一流のファッションショーの席を譲ってくれて、色彩のバランス、比率、服のフォームなどを学べと言わんばかりに、、バイヤー席の後列、時には、カメラ席の端、つまり最前列とかの席に座っていました。

伯母が文化服装学院退職と同時にそうした機会も減っていったけど、あの20代の数年間は夢のようなショーの中におりました。

そしてよせばいいのに、、

イッセイミヤケのアート本、作品集を伯母の墨絵と勝手にコラボしてみました。怒るとしたら、伯母でしょうか。偉大なイッセイさんと並べるなんて非常識め、、と。いつものように叱咤激励して私を導いた伯母の顔を浮かべながら、でも、遊び心のない芸術はつまんない、と繰り返していた伯母ですから、まあ、私の遊びを許していただきましょう。

 

「三宅一生の発想と展開」この本の表紙は印象的です。

白州正子との対談など刺激的なページも。

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この赤の帯、朱色というのかな、もっと専門的な呼び方もあると思いますが、伯母はここからヒントを得て、私のステージ衣装の一つに生かして手甲をほぼ同色で作ってくれました。

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水墨画はモノトーンゆえの素朴さ、そして揺るぎない強さを備え持つと感じています。それは心象風景を描く、または故郷の雪や水辺を忠実に写生し、墨への展開を描いた髙田の作風から感じてきました。

それゆえに、イッセイさんの洋服という概念を超えたこの上ない美術品の様なフォルムが、なんとなくマッチしている、と全くもって勝手なコラボは続きます。

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イッセイやケンゾーのショーに登場する山口小夜子さん。

伯母が菓子箱に描いた可憐なホタルブクロ

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筆タッチの様な流れる服。

写真のモデルは縦に整列。筆は横にぞろっと並べる。

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枯れ木を集めていた伯母。

無造作という生け方。

動く服。なんとなくマッチする色彩。

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たくさんのコラボをしてみましたが、これがちょっとした心休めにもなっています。

2022の夏の企画展は実施しませんが、こちらの投稿で、突然思いついた新谷の勝手コラボを紹介しました。

ご覧くださりありがとうございました。

滞在期間中にもう少し並べられたらと思っていますが、気まぐれ投稿で失礼します💦

2022年4月30日 (土)

ようやく観賞の花

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4月の終わりに画廊にいたのは珍しい。故郷で演奏があって三泊四日の短い帰郷。

この時期の画廊の花を見ることは嬉しい。水仙はあちこちに。子供の頃から、黄色の水仙が咲けば「春」

画廊の蔵横の桜は小さな木。小ぶりゆえの品の良さを感じる。

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そして、伯母の亡くなった翌年、2013年に画廊からこの大木、枝垂れ桜を寺院の伯母たちの墓横に移植したのですが、なんと、咲いている時期にようやく帰省のタイミング、愛でることができました。強風で半分は散っていたけど、桜、元気でした。

この移植を提案くださったのは亡き住職。画廊での手入れは難しく、大木が普通の家の小さな庭からお隣さんに枝折れが散って邪魔になったり。

心細さを感じていた頃の提案で、本当に助け舟をいただいた気持ちでした。

墓参りというのは、心が落ち着くものですね。じっとそこにいて故人にお茶を捧げて、景色を眺めて、、そんな時間を持ちたいと思う寺院の永代墓所を伯母たちは終活の70代で自ら選んであの世へ行きました。

とさ、、、

 

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2022年3月16日 (水)

3月の画廊

 随分と留守にしてしまった。3月の画廊は季節の変化を背負う。裏手の川はいつもより残雪も多く、川の勢いも激しい。

まだ暖房は欠かせない季節だけど、窓を開けて新しい空気を取り込む。

ここに暮らして長かった画家雨草の姉、キクヱ伯母は生前、丁寧な掃除をする人だった。装飾は雨草伯母で、調度品など飾られた場所に一切の変化を加えず、その周辺を言葉もなくただ黙々と拭き掃除をするといった具合で、雨草の新しい飾り付けを愛でることをただ楽しみにしていた。

二人の伯母の会話、笑い声も聞こえない画廊になったけど、穏やかな朝になれば、あの 微笑みを思い出すことだけでも、心は軽くなる。

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2021年9月10日 (金)

北の世界の息づかい、、

髙田雨草水墨画館の2018年、回顧展のお客様からいただいていたお言葉を、ページ冒頭に置いてみました。

この回顧展は県内各地、そして県外からも多くのお客様がご来場、あの豪雨の中、、本当にみなさんのお心が嬉しかったです。

世良啓氏のメッセージです。ご覧くだされば嬉しいです。

次の企画展の内容はほぼ決まってはいるのですが、時期としてはまだ先になります。

通常は閉館しておりまして、現在は1年に数日だけの企画展となっています。

こちらが↓ リニューアルされたページです。

https://www.shokoaraya.com/takada/index.html

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そういえば、、この2018年にいらしたお客様の一人、川崎市からの音楽の先生でした。奥様と一緒にドライブで、八甲田山系の温泉旅行兼ねて、、驚きと嬉しさで、こんな再会ももあるんだなと感慨深く。それ以来、川崎の学校でのワークショップを継続させていただいております。

画廊から八甲田へ向かう道は途中に広大な高原を見ながら、秘湯でゆっくりし、山を下って青森湾の夜景へと、、クネクネ道なので、日が暮れないうちに下りて行けば安心です。森林浴の季節の夏、そして深い深い紅葉を眺めて秋、、晩秋から冬は道の閉鎖があります。

ああ、、その景観を思い出すだけの2021年ですが、深呼吸する場所は案外、周囲にもたくさんありますね。

秋もいい空気を吸って、さて乗り越えましょう。

予期くださった方々からも問い合わせありますが、秋の予定がいくつか変更されたので、ちょっと脱力気味の先週でしたが、、

さて、、今日は晴れ。仕事は山積みだけど、うーーん、部屋での仕事ばかりではもちません。体のために、、、よしっ!

 

2021年5月24日 (月)

画廊のyoutubeチャンネル

本日、髙田雨草水墨画館のyoutubeチャンネルを立ち上げました。

年初に作成していた正月飾りのクリップをまとめて一つの動画が出来上がりました。

https://youtu.be/571pJOlsqsw

ぜひ、ご覧ください。

今後も、ゆっくりではありますが、水墨画作品や暮らしアートを紹介できるように考えています。

気に入っていただけたらチャンネル登録を是非お願いいたします。

コメントなども書き込めるようになっております。

今回の動画はBGMとして、新谷祥子の演奏、使った楽器はりん、波紋音、電子ピアノ、八角太鼓、マリンバなど、、

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2021年1月 4日 (月)

故人とコラボ、そして別れ。

https://www.facebook.com/TakadaGallery/

髙田雨草正月飾り展、アーカイブ写真館で綴りました。フェイスブックでの投稿、8回に渡り紹介。

上記からアクセスでご覧くだされば嬉しいです。

7回、8回は自分のアルバムの音を使ってみました。

この8回シリーズをお知らせしたくて、ある方へ連絡を入れたところ、、

昨夜、その方のお母様のご逝去を知りました。髙田が亡くなってから私の心を助け続けてくれた方、どうか安らかに。

夜中の涙、、、

今朝の花、、、

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2020年8月19日 (水)

伯母の画廊のこと

フェイスブックで髙田雨草水墨画館のページを作成してから、もっぱらそちらを利用しての情報投稿、申し訳ございません。

フェイスブックをやっていない方でも、公開情報として掲載しているのでご覧になることができますが、でもブログから情報を得てくださる方もいらっしゃいます。長らく情報掲載ができずにおりましたことお詫びします。

夏の企画展、今年は髙田の愛した器展、ということを考えておりました。でもこの半年、準備すらできない社会状況となり、そして8月15日の命日から開催する企画展も、中止となっております。

夏の画廊が賑わい、回顧展と企画展を2年連続で開催できたことは幸いでした。2020年、このコロナという世界で感染している伝染病がなかったら、通常通りわずか3日間の開催なりでも、伯母の作品や、アートコレクションに触れていただくチャンスでもありました。

でも、伯母の声が聞こえてきそう、、

無理、無茶をしたらだめよ、、、って。

チャレンジ旺盛で元気な伯母ではありましたが、こんな事態が起きているなんて、あちらでどんな風に眺めているかな、、と、そう、心配していることは明らかです。決して無茶をしちゃいけない、、、そう肝に銘じて、、しばらくは、画廊も休息といたします。

こちらの墨絵は、私の最初のリサイタルで伯母が贈ってくれた絵。

「道」

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2020年1月 4日 (土)

2020年もどっこいよろしく!

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新年いかがお過ごしでしょうか。まだ寒い故郷の雪道には立っておらず、これからとなりますが、昨年も髙田雨草水墨画館、そして音窓ARAYAへのご贔屓、ありがとうございます。こちらの写真は髙田の愛した素朴な羽子板(昔から子どもたちが外で遊んでいた片側には少女の鮮やかな笑みのペイントが描かれたもの)と獅子を何気なく飾ったものです。裏の木板には好きな文字を墨で残していたので昨年の企画展に飾りました。

東京に暮らしてから1年に2度帰るか帰らないか、というペースであった青森。それが今ではほぼ毎月の往復となりました。ありがたいことに毎月、何かしら演奏や講座やワークショップにお声かけていただきますが、何よりまた、私には青森ねぶたの参加、その稽古が新しいことであり、新鮮で刺激的なものとなっております。

そして、髙田雨草の墨絵の空間を1年にわずか数日でも企画展として掲げ開館できるようになって、その準備をともなった展示内容のスタディ、それは時に音楽とも連鎖する文化の歴史、人の暮らしの変移、土地と生活、宗教的行事、装飾と人類、計り知れない興味が深まり、私自身にもたらしている時間の濃さは云うまでもありません。しかし、いいことばかりでもなく理解をいただけない一部行政の対応などにも落胆を抱えながらの歩みです。しかし、楽観的な構えで進みましょう。散歩で歩いていた方が、ふと「なんだここは?」と立ち寄ってくれた、そうした偶然は面白い出会いです。

今年の企画展は日程が例年の夏ではなく秋に開催予定となります。でも具体的な日取りが決められておりません。決まり次第またお知らせアップいたします。

私のホームライブ会場と、この画廊と、少しなりとも音楽を積んできた自分にできること、子どもたちが笑い、大人たちがゆったりと時の調べに酔う、そんな故郷での空間、目指したいものです。ま、楽観的にというペースに変わりはなくですが。笑

どうぞお力添えをお願いします。

 

2019年9月16日 (月)

急遽、本日画廊オープンDAY

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急遽決定!ご希望の声いただき、本日16日、14時〜16時の2時間のみですみませんが髙田雨草水墨画館二階展示室をオープンします。青森県七戸町

夏の企画展の一部をご覧いただけます。あまりに急で事前告知できずすみません。駐車場は七戸城址下柏葉館公共駐車場から徒歩🚶‍♂️3分です。

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